ちょっとひとこと 栄養士から


第九回:ダイエットがんばるぞ! その前に…(1)

 今月と来月のテーマは「ダイエットがんばるぞ!その前に・・・」です。「その前に」ですので、実践的なダイエットの方法ではなく、ダイエットをうまく成功させるためのコツというようなものをお伝えできればと思います。

 栄養相談をさせていただく方の生活パターンには、大きく分けて2つあります。ひとつは、ご自宅で過ごす時間が多く、ある程度ご自身で時間をコントロールできる方、専業主婦の方や仕事をリタイアされた方です。

 家事は大変な重労働です。ご家族が衣食住に関して問題なく過ごしてもらうために、基本的には年中無休のお仕事です。家事は9時‐5時と決まっているわけではないので、その分、会社で仕事をしている方より時間の拘束は緩やかです。ある程度、洗濯を朝しなければいけないとか、食事時間前に料理をするなどはありますが、それ以外の時間はご自身の好きな時間に作業ができます。そのため、ダイエットに関してもご自身のスケジュール管理が重要なカギとなるので「自分との戦いダイエット」と名づけました。

 ダイエットの基本は、食べる量とその食べたものをエネルギーとして使う量のバランスを調整することです。食べる量のほうが使う量より多ければ、その分「脂肪」という体に貯金をします。「自分との戦いダイエット」は、自分が見方でもあり、敵でもあります。どこまで自分をコントロールできるかが、ダイエットを成功させる秘訣です。

 栄養相談にいらっしゃる専業主婦の方にお話を聞くと、間食と運動不足が原因に挙げられることが多いです。

 間食をしてしまうのは、日中、会社や学校にいる方と違って、まわりの人の目を気にせずに、何時でもなにか食べることができるので、つい食べてしまうそうです。中にはお腹が空いたからではなく「口寂しい」 からという方もいらっしゃいます。

 また、何か心配ごとや悩みごとなどある方は、仕事をされている方も同じですが、「ストレスを発散するために食べる」こともあります。これがダイエットの天敵で、わたしの栄養相談の経験上、このストレスがなくならないとダイエットに成功しにくい方がとても多いです。まずダイエットをする前に、ストレスがある場合は、その原因はなにか、どうしたら解決するかを考え、ストレスを軽減する努力もいっしょに始めてください。

 ダイエットを始める前に、自分の行動パターンを考えてみましょう。なぜ食べてしまうのか?どうしたら、食べないようにできるのかを考えます。日中、間食しないようにするには、家にお菓子を置かない、間食をしたくなる時間には外出する用事をつくるなどいろいろ方法があります。ご自身と相談しながらやりやすい方法をみつけましょう。運動に関しても同じです。なぜ運動をする機会がないのか?どんな方法だったら、運動を継続できるのか?と考えてみましょう。

 人の力を借ることもいい方法です。人といっしょにやったほうが自分は継続できそうだと思えば、ご家族やお友達を巻き込んでダイエットをするのも成功させる秘訣です。

(2009年4月)



管理栄養士 秋山里美プロフィール


管理栄養士。
執筆、講演、食に関わるコンサルティングを中心に活動。著書に『カード式毎日のおいしい腎不全献立』監修に『高血圧を下げるおいしい食事』(いずれも主婦の友社)などがある。
管理栄養士秋山里美